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ロジスティック回帰分析 (logistic regression analysis)

ロジスティック回帰分析とは

ロジスティック回帰分析は、カテゴリ型の従属変数を予測・説明するための用いられる代表的な多変量解析手法です。線形回帰分析では、従属変数に量的な変数を用いますが、ロジスティック回帰分析ではカテゴリ型の質的変数を用いることができます。従属変数には、カテゴリが2値(あり/なし)の場合、3値以上の名義尺度の場合、順序尺度の場合が考えられますが、一般的には、カテゴリが2値の場合に適用されることの多いようです。要因となる説明変数としては量的変数(スケール変数/連続変数)を原則として、2値変数やダミー変数に変換した質的変数を用いることができます。

要因の影響を表す指標としてオッズ比 Odds Ration, OR やその信頼区間の計算を行うことができ、目的変数に対する影響の大きさを調べることができます。オッズ比は、係数の指数値としてExp(B)列に表示されます。

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また、ロジスティック回帰分析は、観察型の研究において交絡因子の調整を行うバランシングスコアである傾向スコアの推定にもよく用いられます。傾向スコアの推定を行う場合は、従属変数に割付変数(介入群/統制群)を指定して、共変量に交絡因子を指定してロジスティック回帰分析を実行します。この分析によって推定される確率は、介入群に割付けられる確率をあらわすため、この値の近しいケースをペアにして分析を行うことで背景情報を調整します。

ロジスティック回帰分析は、医療・看護、臨床研究や金融系のリスク解析などで頻繁に利用されている重要な分析手法の1つです。


IBM SPSS Statisticsによるロジスティック回帰分析の例

IBM SPSS Statisticsでは、Regressionオプションを使用することでロジスティック回帰分析の機能が追加されます。従属変数が2値の場合は二項ロジスティック回帰メニューを使用します。

従属変数に2値変数(あり/なし)、共変量に説明変数となる変数を指定します。共変量は分析上興味のある独立変数だけでなく、年齢や性別などの調整変数も投入できます。3値以上の名義尺度の場合はカテゴリボタンを使用することで、ダミーコード(ダミー変数)に変換させることが可能です。

ダミーコードへの変換結果は、分析結果のテーブルにまとめられ、回帰係数やオッズ比(OR)、信頼区間などの解釈の際に参考にします。

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