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1元配置分散分析(One-way ANOVA)

分散分析 Analysis of variance;ANOVA は、対応のないグループ間の平均値の差を検定するための分析手法で、質的独立変数(因子/要因)によって量的従属変数の平均値を比較します。例えば、どの治療法が病気の治療に効果があるかを調べたい場合、治療法によって検査値の平均値に差が認められるかを分析します。このとき、治療法がAとBの2種類であれば独立したサンプルのt検定によって検査値の平均値を比較することができますが、治療法が3種類以上の場合は分散分析を用います。 分散分析_図1 比較のための質的独立変数を「因子/要因」といい、この要因の数が1つの場合は1元配置分散分析、要因の数が2つの場合は2元配置分散分析 Two-way ANOVA と呼ばれます。1元配置分散分析では、1要因による効果(主効果)を分析します。 1元配置分散分析は、独立したサンプルのt検定と同じように、量的従属変数が正規分布にしたがう「正規性」と、各水準のばらつきが同程度である「等分散性」の仮定を持ち、これらを満たすことができない場合は別の検定手法を適用します。正規性を満たさない場合は、クラスカル-ウォリス検定 Kruskal-Wallis testを適用し、等分散性を満たさない場合はウェルチ検定 Welch test がよく用いられます。 ただし、分散分析によって有意差が認められた場合は要因によって差があることを意味するのみであり、どの水準間に差があるかまでは分かりません。そこで、多重比較法 Multiple Comparison Procedure を用いることで水準間の差を検定することができます。  1元配置分散分析と多重比較法は、IBM SPSS Statistcsの基本ソフトであるBaseのみで実行可能です。
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