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IBM SPSSによるデータ分析、情報活用

対応のあるサンプルのt検定(Paired-samples t-test)

t検定 t-test は、検定統計量t値を利用する検定手法の総称で、2つのグループ間の平均値の差の検定を行う場合によく利用されます。対応のあるサンプルのt検定 Paired-samples t-test は、比較するサンプルに対応がある場合のt検定です。 例えば、治療の効果を調べることを目的として「治療前」と「治療後」の2つのグループの検査値を比較するためにt検定を行います。このとき、治療前後の検査値の変化をみるために、同じ被験者について治療前と治療後の2時点で検査値を測定します。「治療前」と「治療後」のグループのサンプルには対応があるため、対応のあるサンプルのt検定を用います。 対応のあるサンプルのt検定 対応のあるサンプルのt検定を実行する場合、データセットの持ち方は横持ち(変数グループ/ワイド形式)である必要があります。データの持ち方が縦持ち(ケースグループ/ロング形式)になっている場合は、データの再入力または再構成を行う必要があり、IBM SPSS Statisticsでは「データの再構成」メニューを使用することで簡単に変換可能です。 ワイド形式 対応のあるサンプルのt検定は、2つのグループの量的従属変数の差が正規分布にしたがう「正規性」の仮定を持ち、これを満たすことができない場合は、ウィルコクソン符号付順位検定 Wilcoxon signed rank testを適用することができます。
対応のあるt検定 対応のあるt検定 対応のあるt検定 効果量
独立したサンプルのt検定と同様に、有意差が認められた場合は、母集団において2つのグループ間の平均値の差が0ではないことを意味するのみであり、どの程度の差があるかまでは分かりません。そこで、差の95%信頼区間を用いて、2つのグループの差の大きさの推定や効果量による評価も重要です。対応のあるt検定の効果量として、IBM SPSS Statisticsでは、CohenのdとHedgesの補正の2種類が自動的に出力されます。なお、効果量の自動出力はV27からの新機能です。 対応のあるサンプルのt検定は、IBM SPSS Statistcsの基本ソフト Base のみで実行可能です。
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