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Pearsonのカイ2乗検定(Pearson’s chi-square test)

独立性の検定として用いられるPearsonのカイ2乗検定は、2つの質的変数の独立性(関係があるかないか)を検定するための統計手法で、クロス集計表の統計的検定としてよく利用されます。例えば、高血圧症の既往(なし/あり)が赤ちゃんの低体重出生(2500g以上/2500g未満)にどのような影響を与えるかを調べる場合などです。 質的変数の分析 質的(カテゴリ)変数間の関係を調べる分析手法としてクロス集計がよく用いられ、行と列にカテゴリ変数を配置し、度数やパーセンテージ(%)を解釈することで2つの変数に関係性や差異があるかどうかを分析することができますが、クロス集計表で得られる結果は、あくまでも母集団から抽出したn=189の標本(サンプル)の結果にすぎません。 Pearsonのカイ2乗検定を用いると、クロス集計の解釈が標本(サンプル)のみでいえることか、母集団全体にいえることかを調べることができます。Pearsonのカイ2乗検定は、観測度数と期待度数の差に基づいて検定が行われます。観測度数はクロス集計表に記載されている実際の人数(度数)、期待度数は2つの変数に関係がない(独立である)と仮定した場合の人数です。観測度数と期待度数に差がなければ2つの変数は関係がない(独立である)と解釈します。 Pearsonのカイ2乗検定で有意差が認められた場合、2つの質的変数に関係がある(独立ではない)と解釈することができます。なお、クロス集計表について期待度数5未満のセルが20%以上含まれている場合や期待度数が1未満になるセルがある場合、Pearsonのカイ2乗検定を使用するのは適切ではありません。このような場合は、Fisherの正確確率検定 Fisher’s Exact Test を用いる必要があります。 Pearsonのカイ2乗検定とクロス集計は、IBM SPSS Statisticsの基本ソフトであるBaseのみで実行可能ですが、Fisherの正確確率検定に対応するのはExact Testsオプションです(2×2クロス集計表のみBaseで対応しています)。Exact Testsは、データが少ない場合の正確な検定の実行が可能となり、さまざまな分野の分析で活用されるオプション製品の1つです。 Pearsonのカイ2乗検定と2×2クロス集計表におけるFisherの正確確率検定は、IBM SPSS Statistcsの基本ソフト Base のみで実行可能です。
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