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重み付けカッパ係数の出力 / Statistics

公開日:    SPSS TIPS Statistics 

カッパ係数(kappa coefficient)は、同じ対象に対して2つの評価間の一致度を表す場合に用いられる統計量の1つです。評価者間の一致度や繰り返し測定の一致度を見るときに用いられ、評価方法の信頼性や妥当性を調べることができます。カッパ係数κは、-1≦κ≦1の範囲をとり、値が1に近いほど一致度が高いことを意味します。コーエンの一致係数(Cohen’s coefficient of agreement)とも呼ばれ、解釈の目安としては、次の基準もあります。

カッパ係数

カッパ係数には、名義尺度の変数に適用するものと、カテゴリ間に順序の意味を持つ順序尺度に適用する重み付けカッパ係数があります。例えば、2人の医師の診断として名義尺度(疾患A、疾患B、疾患C)の一致度を調べる場合にカッパ係数が適用できますが、順序尺度(軽症、中等症、重症)の診断の一致度を調べる場合には、カッパ係数ではなく、重み付けカッパ係数を用いる方がより適切です。重み付けカッパ係数には、1次の重み付け、2次の重み付けがあり、不一致率をより強く表す場合に用いられます。

IBM SPSS Statisticsでは、名義尺度に適用する重み付けのないカッパ係数はクロス集計表ダイアログボックスの統計量ボタンから出力することができますが、重み付けカッパ係数は拡張機能によって求めることができます。

■ IBM SPSS Statistics 24による1次の重み付けカッパ係数の求め方
この例では、2人の評価者A、Bが40人の被験者に4件法である評価を行ったデータに対して、評価の一致度を1次の重み付けカッパ係数を利用して確認してみます。まず、IBM SPSS Statisticsに以下のようにデータを入力しておきます。

重み付けカッパ係数

重み付けカッパ係数はWeighted Kappaを使用して求めますが、デフォルトでは分析メニューに表示されていません。拡張機能を使って「STATS_WEIGHTED_KAPPA」モジュールを追加することで使用できるようになります。

■「STATS_WEIGHTED_KAPPA」モジュールをインストールする手順
(1) 拡張機能メニュー > 拡張ハブを選択します。
(2) STATS_WEIGHTED_KAPPAの拡張の取得にチェックを入れます。
(3) 使用条件の条項に同意を選択します。
(4) 完了ボタンをクリックします。
(5) OKボタンをクリックします。

拡張機能に関する内容は、TIPS「拡張ハブからの機能の追加」をご参照ください。

■ Weighted Kappaを実行する手順
(1) 分析メニュー > 尺度 > Weighted Kappaを選択します。

重み付けカッパ係数

(2) 評価者AをRating1ボックスに、評価者BをRating2ボックスに移動します。

重み付けカッパ係数

Weight Typeでは、重み付けをLinear(1次の重み付け)か、Quadratic(2次の重み付け)にするかを選択することができます。Cl Coverage Levelでは、信頼区間の%を指定することができます。

(3) OKボタンをクリックします。

出力ビューアには、カッパ係数、漸近的標準誤差、Z値、P値、95%信頼区間の下限と上限が出力されます。この例では、1次の重み付きカッパ係数が、0.730という結果となりました。つまり、評価者AとBの評価はかなり一致しているといえます。

ここでは2人の評価者間の一致度をみましたが、他にも開発したアンケートの質問項目やある測定を2回繰り返した場合の再現性や妥当性を調べたり、あるシステムの利用前後で評価が同じかを調べたりといった使い方もあります。なお、カッパ係数を計算する際の注意点として、一致と不一致のデータ数に大きな偏りがある場合は正しい結果が得られない場合があります。

目的や使い方、用途に応じて、IBM SPSS製品を有効にご活用いただき、課題解決・価値創造にお役立てください。

■ 参考文献
[1] Cohen, J.,(1960). A coefficient of agreement for nominal scales. Educational 159 12 160 and Psychological Measurement 20, 37–46.
[2] 芝祐順,他(2002). 統計用語辞典,新曜社
[3] Landis, J.R.; Koch, G.G.(1977). “The measurement of observer agreement for categorical data”. Biometrics. 33 (1): 159–174.
[4] 対馬 栄輝(2002).理学療法の研究における信頼家数の適用について.理学療法科学,17(3),181-187.

■ E-Learningコース:IBM SPSS Statisticsによる統計解析【入門編】【初級編】
SPSSによる統計解析を学習するための ハンズオン形式のE-Learningコース(Textbook付属)
http://www.stats-guild.com/spss-e-learning/courselist

■ IBM SPSS Statistics Base
IBM SPSS Statisticsによるデータ入力、読込み、データ加工、基本統計量の出力、推測統計(仮説検定・信頼区間)、回帰分析、因子分析、クラスター分析、分散分析、グラフ作成、外部ファイルへのエクスポート、拡張機能などを有する基本モジュール

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