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IBM SPSSによるデータ分析、情報活用

特定日における年齢の計算方法 / Statistics

SPSSによる特定日における年齢の計算方法

2つの日付データ間の経過年数の算出
アンケート回答者や顧客、患者などの年齢は、誕生日の年月日に基づいて日付の計算で簡単に算出できます。具体的には、「今日の日付-誕生日」によって経過年数を求めることで、現在の年齢を知ることが可能です。SPSSでは、日付と時間ウィザードの機能に用意されている$TIMEシステム変数を用いることで、今日の日付(正確には計算を実行したときの日時)をあらわすことができます。
また、現時点ではなく、ある特定の年月日で何歳かを求めるためには、その日付を指定する必要があります。日付と時刻ウィザードでは特定の日付を直接入力することはできないため、あらかじめデータファイルに日付変数を1つ追加しておくことで対応します。

1特定日における年齢をあらわす新変数の追加手順

変数の追加と値の入力

この例では入学日(2018年4月1日)を基準として、その時点での年齢をあらわす変数を追加する手順を説明します。まず、入学日の変数を追加します。次に、日付と時刻ウィザードを使用して、誕生日との差分を計算し、2018年4月1日時点での年齢をあらわす変数を追加します。

特定日をあらわす変数の作成手順

  1. 「変数ビュー」を開いて、新変数として「入学日」(※変数名は任意)を作成します
  2. 「入学日」の「型」のセルを選択して、セル内に表示される「…」ボタンをクリックします

特定日をあらわす変数の作成手順

  1. 「変数の型」ダイアログボックス内で「日付」を選択します
  2. 「yyyy/mm/dd」を選択します
  3. 「OK」ボタンをクリックします
  4. 「データ」ビューをクリックします

入学日の変数の作成は完了していますが、中身が空ですので入学日として2018年4月1日を定義してみます。全ケースに同じ値を入力させるために、変数の計算ダイアログボックスを使用します。

特定日をあらわす変数の作成手順

  1. 「変換」メニュー >「変数の計算」を選択します
  2. 「目標変数」に「入学日」と入力します

変数の計算ダイアログボックスで計算することができるデータの型は「数値」になり、文字や日付を直接入力することはできません。これは、式を入力するボックスに「数式」と表示されている事からも分かります。この例で入力したいデータは日付になりますので、日付を生成する関数「Date.Dmy」を使用します。この関数は「日付作成」関数グループに含まれています。関数を使用するために必要な値は、日・月・年の3種類です。例えば、2018年4月1日を入力したい場合は、「Date.Dmy(1,4,2018)」と指定することになります。

特定日をあらわす変数の作成手順

  1. 「関数グループ」の一覧から「日付作成」を選択します
  2. 「Date.Dmy」をダブルクリックします
  3. 1つめの?に「1」と入力します。※入学日の「日」の部分です
  4. 2つめの?に「4」と入力します。※入学日の「月」の部分です
  5. 3つめの?に「2018」と入力します。※入学日の「年」の部分です

特定日をあらわす変数の作成手順

  1. 「OK」ボタンをクリックします
  2. 「既存の変数を上書きしますか?」ダイアログボックスで「OK」ボタンをクリックします

空だった入学日の変数のすべてのケースに日付データが挿入され、セルの書式の設定にしたがって「2018/04/01」と表示されていることが分かります。

2入学日と誕生日の差分の計算

日付と時刻ウィザード

次に、誕生日との差分を計算して、2018年4月1日時点での年齢をあらわす変数を追加します。日付型の変数の計算には、日付と時刻ウィザードの機能が便利です。

2つの日付間の差の計算

  1. 「変換」メニュー>「日付と時刻ウィザード」を選択します
  2. 「日付と時刻で計算」を選択して「次へ」ボタンをクリックします
  3. 「2つの日付間の時間単位数を計算」を選択して「次へ」ボタンをクリックします
  4. 「日付1」に「入学日」を移動します
  5. 「引く日付2」に「誕生日」を移動します
  6. 「単位」に「年」を選択します

以上の設定で、入学日から誕生日を引いて、その経過年数を取り出す新しい変数が作成できます。

2つの日付間の差の計算

  1. 「次へ」ボタンをクリックします
  2. 「変数名」に「年齢」と入力します
  3. 「完了」ボタンをクリックします

特定の日付(この例では、2018年4月1日)時点での年齢をあらわす新変数が作成されました。日付と時刻ウィザードにはじめから用意されている$TIMEシステム変数を用いれば、現時点での年齢を計算することができますが、上記のように特定の日付データを入力しておくことで、特定の日付における年齢を計算させることが可能です。

この例では、誕生日に基づいて年齢を算出する方法を取り上げましたが、その他の例として、契約日からの経過日数初回アクセス日時からの経過時間など、現在や特定の日時を基準として加工して、分析に活用することができるようになります。
特に生存時間分析においては、手術日からの経過年数経過月数などの変数を必要とします。目的や使い方、用途に応じて、IBM SPSS製品を有効にご活用いただき、課題解決・価値創造にお役立てください。

参考文献

  1. IBM_SPSS_Statistics_Base.pdf

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