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ダミー変数の参照カテゴリを指定する方法 / Statistics

公開日:  更新日:2020/06/19   SPSS TIPS Statistics 
ロジスティック回帰分析は、カテゴリ型変数(症状あり/症状なし等)を従属変数として、その要因を調べる場合などによく利用される多変量解析手法です。独立変数(説明変数/予測変数)として用いることができるのは、連続変数や2値変数であり、3つ以上のカテゴリを持つ名義尺度変数を用いる場合は、ダミー変数(ダミーコード)として0と1の形式に変換します。



IBM SPSS Statisticsは、二項ロジスティック回帰分析を実行する際に、ダイアログボックスにある「カテゴリ」ボタンを利用することで、ダミーコードに変換します。ただし、カテゴリボタンによるダミー変数のコード化の場合、参照カテゴリとして、最初もしくは最後しか選択することができません。

参照カテゴリが「最後」になっている場合のカテゴリ変数のコーディング結果の例は以下です。最後のカテゴリである「薬C」が参照カテゴリになります。

参照カテゴリが「最初」になっている場合のカテゴリ変数のコーディング結果の例は以下です。最初のカテゴリである「薬A」が参照カテゴリになります。

ダイアログボックスから選択できる参照カテゴリは、「最後」もしくは「最初」のカテゴリであり、例えば、2番目のカテゴリである「薬B」を指定することはできません。このような場合、データセットに手動でダミー変数を追加作成するか、カテゴリの並び順を変更する対処も考えられますが、IBM SPSS Statisticsのシンタックスを用いれば、比較的簡単に参照カテゴリの指定を変更することができます。

(1) 分析メニュー > 回帰 > 二項ロジスティックを選択します。
(2) 従属変数と共変量を指定します。
(3) カテゴリボタンをクリックします。
(4) カテゴリ共変量にカテゴリ変数を移動します。
(5) 続行ボタンをクリックし、メインダイアログボックスに戻ります。
(6) 貼り付けボタンをクリックして、シンタックスエディタを表示させます。

カテゴリ変数のコーディングは、/CONTRAST サブコマンドで指定し、参照カテゴリの指定はIndicatorの記述を変更します。

薬剤の変数について、「最初」のカテゴリ(1=薬A)を参照カテゴリとする場合は、以下のように記述します。

/CONTRAST(薬剤)=Indicator(1)

薬剤の変数について、「最後」のカテゴリ(3=薬C)を参照カテゴリとする場合は、以下のように記述します。

/CONTRAST(薬剤)=Indicator(3)

薬剤の変数について、「2番目」のカテゴリ(2=薬B)を参照カテゴリとする場合は、以下のように記述します。

/CONTRAST(薬剤)=Indicator(2)

薬剤の2番目のカテゴリである「薬B」が参照カテゴリになっていることが分かります。

このように、シンタックスを利用することで、データファイルにダミー変数を作成したり、カテゴリの並び順を変更することなく、参照カテゴリをセットすることができます。
シンタックス修正の完了後は、シンタックスエディタの実行メニューを使用してシンタックスを実行します。

※IBM SPSS Statisticsで二項ロジスティック回帰分析を実行するには、Regressionのオプションライセンスが必要です。

目的や使い方、用途に応じて、IBM SPSS製品を有効にご活用いただき、課題解決・価値創造にお役立てください。

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■ IBM SPSS Statistics Base
IBM SPSS Statisticsによるデータ入力、読込み、データ加工、基本統計量の出力、推測統計(仮説検定・信頼区間)、回帰分析、因子分析、クラスター分析、分散分析、グラフ作成、外部ファイルへのエクスポート、拡張機能などを有する基本モジュール
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