SPSSのダミー変数の参照カテゴリを指定する方法
シンタックスの貼り付けと編集
ロジスティック回帰分析の独立変数(説明変数/予測変数)として用いるのは、量的変数や2値変数であり、3つ以上のカテゴリを持つ名義尺度や等間隔とみなしにくい順序尺度を用いる場合は、ダミー変数として0と1の形式に変換します。SPSSでは、二項ロジスティック回帰分析のダイアログボックスにある「カテゴリ」ボタンを利用することで、ダミーコードに変換します。
ただし、カテゴリボタンを使用する場合、参照カテゴリとして、最初もしくは最後しか選択することができません。例えば、2番目のカテゴリを指定することはできません。このような場合、SPSSのシンタックスを用いることで、「最初」「最後」以外の任意の値を参照カテゴリに指定することができます
1シンタックスの貼り付け
ロジスティック回帰分析
シンタックスのコードは1から手入力する必要はなく、ダイアログボックス上での操作から記録することができます。まず、ダイアログボックス上で必要な設定を完了し、OKボタンではなく「貼り付け」ボタンをクリックすることで、シンタックスを表示できます。
シンタックスの貼り付け
- 「分析」>「回帰」>「二項ロジスティック」を選択します
- 「従属変数」と「共変量」を指定します
- 「カテゴリ」ボタンをクリックします
- 「カテゴリ共変量」にカテゴリ変数を移動します
- 「続行」ボタンをクリックし、メインダイアログボックスに戻ります
- 「貼り付け」ボタンをクリックして、シンタックスエディタを表示させます
ロジスティック回帰分析のシンタックスが表示されます。このシンタックスを実行することで分析結果が出力されますが、ここでは参照カテゴリの変更を加えます。
2シンタックスの修正
2番目のカテゴリを参照カテゴリに指定する場合
参照カテゴリを2番目のカテゴリに指定するように修正します。「/CONTRAST」の行の「Indicator」の後ろにカテゴリ番号を指定するだけです。例えば、2番目のカテゴリを指定する場合は「Indicator(2)」のように書きます。追記するコードはすべて半角で入力しなければなりません。
シンタックスの編集
- 「/CONTRAST(薬剤)=Indicator(2)」に修正します
- 「実行」ボタンをクリックします
薬剤の2番目のカテゴリである「薬B」が参照カテゴリになっていることが分かります。
このように、シンタックスを利用することで、データファイルにダミー変数を作成したり、カテゴリの並び順を変更することなく、参照カテゴリを直接指定することができます。 シンタックス修正後は、シンタックスエディタの実行メニューを使用してシンタックスを実行します。 シンタックスであればコードとして記録できるほか、修正も容易です。
なお、SPSSでロジスティック回帰分析を実行するには、Regressionオプションのライセンスが必要です。このライセンスがない場合、シンタックスのみでロジスティック回帰分析を実行することはできません。目的や使い方、用途に応じて、IBM SPSS製品を有効にご活用いただき、課題解決・価値創造にお役立てください。
参考文献
- IBM_SPSS_Regression.pdf
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