独立したサンプルのt検定(Independent-samples t-test)
t検定 t-test は、検定統計量t値を利用する検定手法の総称で、2つのグループ間の平均値の差の検定を行う場合によく利用されます。独立したサンプルのt検定 Independent-samples t-test(対応のないサンプルのt検定 unpaired t-test とも呼ばれる)は、比較するサンプルに対応がない場合のt検定です。
例えば、母親の喫煙習慣が子どもの出生時体重(g)にどのような影響を与えるかを調べる場合、喫煙「あり」と「なし」の2つのグループの出生時体重(g)を比較するためにt検定を行います。このとき、喫煙「あり」と「なし」のグループのサンプルには対応がないので、独立したサンプルのt検定を用います。
独立したサンプルのt検定は、量的従属変数が正規分布にしたがう「正規性」と、2グループのばらつきが同程度である「等分散性」の仮定を持ち、これらを満たすことができない場合は別の検定手法を利用します。正規性を満たさない場合は、ノンパラメトリック検定のマンホイットニーのU検定 Mann-Whitney U test が適用される場合があります。また、等分散性を満たさない場合はウェルチ検定 Welch test が適用でき、IBM SPSS Statisticsで独立したサンプルのt検定を実行すると自動的にウェルチ検定も実行されます。
独立したサンプルのt検定によって有意差が認められた場合は、母集団において2つのグループ間の平均値の差が0ではないことを意味するのみであり、どの程度の差があるかまでは分かりません。そこで、差の95%信頼区間を用いて、2つのグループの差の大きさの推定や効果量による評価も重要です。
独立したサンプルのt検定は、IBM SPSS Statistcsの基本ソフト Baseのみで実行可能です。
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