特定日における年齢の計算方法 / Statistics
上記の例では現在の年齢を求めていますが、例えば、2018年4月1日現在の年齢を求めたい場合など、ある特定の年月日で何歳かを求めるためには、その日付を指定する必要があります。日付と時刻ウィザードでは特定の日付を直接入力することはできないため、あらかじめデータファイルに日付変数を1つ追加しておくことで対応します。
■ 特定日(2018年4月1日)における年齢をあらわす新変数の追加手順
(1) 「変数ビュー」を開いて、新変数として「入学日」(※変数名は任意)を作成します。
新しく作成された変数は、そのデータ型が自動的に「数値」に設定されます。入学日は日付型のデータになるため、型を日付に変更します。日付の変数を作成する場合は、その表示書式も指定しておかなければなりません。
(2)「入学日」の「型」のセルを選択して、セル内に表示される「…」ボタンをクリックします。
(3)「変数の型」ダイアログボックス内で「日付」を選択し、書式に「yyyy/mm/dd」を選択します。
日付書式は、日付データをセル内に表示させるときの書式です。「yyyy」は西暦を4桁で表示することを意味し、「mm」は月にあたる部分を2桁で、「dd」は日にあたる部分を2桁であらわし、年と月と日の間に指定されている「/」(スラッシュ)は区切り記号になります。例えば、2018年4月1日は、「2018/04/01」と表示されることになります。
(4) 「OK」ボタンをクリックします。
「入学日」の変数が日付型として認識され、日付データを入力することができるようになりました。なお、日付データを文字列として入力する場合もありますが、日付と時刻ウィザードなどを用いて日付の計算を行うためには、その変数の型が日付になっている必要があります。
(5) 「データ」ビューをクリックします。
入学日の変数の作成は完了していますが、中身が空ですので入学日として2018年4月1日を定義してみます。全ケースに同じ値を入力させるために、変数の計算ダイアログボックスを使用します。
(6) 「変換」メニュー >「変数の計算」を選択します。
変数の計算ダイアログボックスで計算することができるデータの型は「数値」になり、文字や日付を直接入力することはできません。これは、式を入力するボックスに「数式」と表示されている事からも分かります。この例で入力したいデータは日付になりますので、日付を生成する関数「Date.Dmy」を使用します。この関数は「日付作成」関数グループに含まれています。関数を使用するために必要な値は、日・月・年の3種類です。例えば、2018年4月1日を入力したい場合は、「Date.Dmy(1,4,2018)」と指定することになります。
(7) 「目標変数」に「入学日」と入力します。
(8) 「関数グループ」の一覧から「日付作成」を選択します。
(9) 「Date.Dmy」をダブルクリックします。
(10) 1つめの?に「1」と入力します。※入学日の「日」の部分です
(11) 2つめの?に「4」と入力します。※入学日の「月」の部分です
(12) 3つめの?に「2018」と入力します。※入学日の「年」の部分です
(13) 「OK」ボタンをクリックします。
(14) 「既存の変数を上書きしますか?」ダイアログボックスで「OK」ボタンをクリックします。
空だった入学日の変数のすべてのケースに日付データが挿入され、セルの書式の設定にしたがって「2018/04/01」と表示されていることが分かります。あとは、日付と時刻ウィザードを使用して、誕生日との差分を計算すれば、2018年4月1日時点での年齢をあらわす変数を追加することができます。
(15) 「変換」メニュー>「日付と時刻ウィザード」を選択します。
(16) 「日付と時刻で計算」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(17) 「2つの日付間の時間単位数を計算」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。
(18) 「日付1」に「入学日」を移動します。
(19) 「引く日付2」に「誕生日」を移動します。
(20) 「単位」に「年」を選択します。
以上の設定で、入学日から誕生日を引いて、その経過年数を取り出す新しい変数が作成できます。
(21) 「次へ」ボタンをクリックします。
(22) 「変数名」に「年齢」と入力します。
(23) 「完了」ボタンをクリックします。
特定の日付(この例では、2018年4月1日)時点での年齢をあらわす新変数が作成されました。日付と時刻ウィザードにはじめから用意されている$TIMEシステム変数を用いれば、現時点での年齢を計算することができますが、上記のように特定の日付データを入力しておくことで、特定の日付における年齢を計算させることが可能です。
また、この例では誕生日によって年齢を算出する方法を取り上げましたが、そのほかの例として、契約日からの経過日数、初回アクセス時間からの経過時間、手術日からの経過年数など、現在や特定の日時を基準として加工して、分析に活用することができるようになります。
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